真空パックとスピーカー

久石ソナ @sona_hisa は日常と作品の中に住む準備をしています。

長崎ひとり旅で感じたこと〜前編〜

3月13日月曜日。東京の早朝電車には多くの人が乗り込んでいた。あらゆるにおいが渦巻く車内で眩暈を覚えつつ、ゆるやかに朝日を迎え入れる車窓を眺めていた。
長崎に就職する弟の手伝いをしつつ、一泊二日の長崎観光を企画していたが、急遽、弟の東京研修が入ってしまったため、長崎ひとり旅になってしまった。
スカイマークは羽田から神戸、神戸から長崎、という乗り継ぎをする。約3時間20分の空の旅であった。

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長崎は初めて降り立つ場所で、グーグルマップにこれまで行ったことのある場所に星(保存する)を灯しているが、また一つ星が灯された。

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天気予報通りの雨が長崎を包み込む。今回は航空券と宿だけ決めての旅であるので、その場で行きたいところを決め、電車とバスを使い(お酒が飲みたいので運転は断念)移動していく。
宿は小浜温泉にある旅館。オバマ元大統領の頃、話題に上がっていたのが懐かしく感じる。ひとまず、宿方面のバスに乗り込む。長崎空港から早へ行き、早から小浜方面のバスに乗り込む。バスは小浜温泉から雲仙温泉に向かうとのことなので、1日目は温泉の旅にした。
音楽が聴きたくなって、iPhoneから小沢健二の「流動体について」を流す。人生の中で様々な決意をして来たが、それがもっとも良いことだったのか、なんてことを考えながら、長崎の景色を眺めていく。
様々な情報が交差する中、僕が旅に出る理由は、その土地の匂いや音や湿度や景色を全力で味わって咀嚼してやりたいという気持ちが強いからである。長崎でもそれは例外ではない。また、温泉街は面白い。温泉で癒し、硫黄の香りで気分を高揚させるのはもちろんのこと、その土地で働く人たちや住む人たちのことを考えるとわくわくしてしまう。温泉街に着いたらキリンジの「温泉街のエトランジェ」を聴こう。
移動中、バスとバスがすれ違うたび、運転手たちは手を挙げて合図を送りあっていた。素敵な文化だなと思いながら見ていたら、小浜温泉を通り、自分の宿を目視しさらに奥へと進む。
雨は本格的になり、雲仙を目指すバスは霧を切り開いて進んでいく。いくつものバス停の名前が告げられてはその息を潜めていく。途中に「耳採」という名前のバス停があり、調べてみると色々な言い伝えがあるそうですね。

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バスの中にまで硫黄の香りが染み込んでいたが、雲仙温泉に到着したらそれはより濃いものへとなった。日帰り温泉施設は調べればすぐに出てくるものだが、まずは散策。住宅街方面へ歩いていくと、共同温泉を見つけた。だんきゅう風呂。200円で入浴できるのも嬉しい。浴場に入ると地元の人であろう人に挨拶をされて、ここは地元に愛されているところなのだろう、と感じた。

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